障害者雇用だと給料が低いって本当?

今回の相談

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どーなっつ様 
(20代/ 知的障害 軽度・ADHD)

一般雇用で働いていますが、ケアレスミスが多いため仕事で迷惑をかけてしまっており、障害者雇用で働くか迷っています。

障害者雇用だと給与が低いと聞いたのですが本当でしょうか?

回答まとめ

どーなっつ様、こんにちは。ご相談いただきありがとうございます。
「障害者雇用だと給与が低いというのは本当でしょうか?」とのことですが、このようなお悩みは多くの障害者の方からお聞きします。
どーなっつ様の状況もふまえて、このお悩みについていくつかアドバイスできればと思います。

障害者だから年収が低いわけではない

よく「障害者雇用や障害者だから年収が低いんですよね?」「身体障害よりも精神障害のほうが年収が低いですよね?」などと聞かれるのですが、それは正しくありません。
般雇用の平均と比較すると障害者雇用は年収が低いと言われる理由は下記の3つです。

①一般雇用と比べて正規雇用率が低い
②一般雇用と比べて平均労働時間が短い
③一般雇用と比べて業務内容の範囲が狭い

こちらを順番に解説していきます。

①一般雇用と比べて正規雇用率が低い

統計によると、障害者の正規雇用率は一般の正規雇用率約63%と比べて低くなっています。具体的な障害別の正規雇用率は下記の表をご覧ください。
一般的に、正規雇用のほうが非正規雇用よりも高い給与/賞与をもらえることが多いことから、正規雇用率が低い障害者の年収が低くなる場合があります。

障害別正規雇用率
身体障害者 52.5%
精神障害者 25.5%
発達障害者 22.7%
知的障害者 19.8%


※ 出典:「令和4年 労働力調査年報」(厚生労働省)
※ 出典:「平成30年度障害者雇用実態調査」(厚生労働省)

②一般雇用と比べて平均労働時間が短い

障害者の労働時間は、一般雇用の方と比べて短い傾向にあります。具体的な週30時間以上働く障害者の障害別割合は下記の表をご覧ください。
下記に該当している障害者以外の労働時間は30時間未満、20時間未満と短くなります。つまり、多くの障害者が契約社員・パート・アルバイトという雇用形態や時間短縮労働であるため、給与が安くなるという実態が見えてきます。

週30時間以上働く障害者の割合
身体障害者 79.8%
精神障害者 65.5%
発達障害者 47.2%
知的障害者 59.8%


※ 出典:「平成30年度障害者雇用実態調査」(厚生労働省)

③一般雇用と比べて業務内容の範囲が狭い

障害者雇用では、一般雇用と比べて業務内容の範囲が狭いと言われています。
一般的な傾向として、障害者雇用では負担が少なく自分のペースで進められるアシスタント系の仕事に就く方が多く、その結果年収が低くなりやすいと言われています。
また、障害のある人の場合、自らの障害によって勤務できる時間が短い場合や、障害の症状により直接企業へ赴いての営業や重い荷物を持つことに困難が生じる場合があります。
そのため、障害のない労働者と比較すると仕事の内容や勤務時間に制限があり、結果的に額面上の給与が安い場合があります。

 

これらの障害からくる制約によって、一般雇用の平均の給与と比較すると低くなっています。
しかし、これはあくまで一般的な傾向です。契約社員であっても正社員と同じ年収である場合や賞与が発生する場合もありますし、短時間勤務やアシスタント職でも会社の期待が高い場合、高年収でのオファーとなる場合があります。

下記もあくまで一例ですが、アットジーピー転職経由で転職した方への年収例です。

  年齢 障害 職種 雇用形態 年収
Aさん 28 ADHD 一般事務 契約社員 260万円
Bさん 30 ADHD オープンポジション 正社員 280万円
Cさん 31 ADHD コーポレートスタッフ 正社員 350万円
Dさん 27 知的障害軽度 経理事務 契約社員 300万円
Eさん 35 ADHD 人事事務 嘱託社員 450万円

 

会社が期待するパフォーマンスを出せるかが重要

自身が年収を上げていく上で最も大切なのは会社が期待するパフォーマンスを出せるかどうかです。
パフォーマンスとは、仕事の成果や効率、品質などを指します。会社は社員に対して一定のパフォーマンスを期待しており、その期待に応えられるかどうかで昇給や昇格などの評価や報酬が発生します。
昇給幅は会社の制度や個人の能力発揮により様々で、小幅で昇給する場合もありますし、大幅な昇給となる場合もあります。
※契約社員の場合、契約更新のタイミングで昇給提示をされる場合があります。ケースバイケースなので面接などでご確認ください。

逆に、パフォーマンスが出せていなければ、一般雇用/障害者雇用を問わず雇用終了となります。だからこそ、ご自身が期待されるパフォーマンスを出せる職場を選ぶことをおすすめします。

短期的な年収ではなく、数年単位での年収を考えると良い

これは一般雇用・障害者雇用を問わず、未経験業務への就職や活躍実績が少ない場合、転職時に年収が高いオファーを得ることは難しいということです。
短期的には年収が低くとも、業務経験や活躍実績を積むことでステップアップを考える道をおすすめします。
年収が高くなるか低くなるかは、業務経験や活躍実績によって変わります。業務経験や活躍実績が多ければ多いほど、年収が高くなる可能性が高まります。そのため、短期的な年収ではなく、数年単位での年収を考えると良いと思います。

どーなっつ様の場合、ケアレスミスに関する配慮や工夫が見つかれば、本来のパフォーマンスを発揮することができるのかなと思います。
自身に必要な障害配慮を得られる環境を選択して入社後にパフォーマンスを発揮し、昇給を目指していくことを検討するのはいかがでしょうか?

適した配慮や工夫が見つからない場合は、まずは就労移行支援事業所などで訓練してから転職に臨む方法もあると思います。
就労移行支援事業所とは、障害のある方の就職をサポートする「通所型」の障害福祉サービスです。
atGP ジョブトレでは、障害別のコースがあり、症状理解や必要な配慮を学んだり、得意と不得意を見極めた上で得意なスキル磨いて就職先の選択肢を増やすことができます。

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どーなっつ様が自分に合った職場で働いて、ご自身の力を発揮できる職場で働けることを願っています。

※あくまでお悩みに対する一般的な回答になりますのでご留意ください。

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<監修>戸田重央

【プロフィール】株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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