雄太様
(30代/上肢障害)
直属の上司との人間関係に悩んでいます。一方的な𠮟責も多く、悩むことも増えて転職を考えています。ただ、転職する理由で人間関係や上司に対する不満を言うと印象が悪くなりそうです。
雄太様、こんにちは。ご質問いただきありがとうございます。
上司との人間関係が原因で現在転職を考えているものの、転職の際に転職理由をどう伝えると誤解なく伝えられるようになるか、という点でお悩みのようですね。
雄太様のお悩みに対して、いくつかアドバイスできればと思います。
まずはじめに、人間関係に正解はありません。人はそれぞれ個性や価値観が違うため、合う人と合わない人がいるのは当然です。
合わない人とはどうしてもストレスが溜まりやすくなりますが、それは自分が悪い・相手が悪いなどではなく、単に相性が合わないということです。
「なんとなく嫌い・苦手」という感情ではなく、上司とはどんな点が合わないのかを具体的に考えてみてはいかがでしょうか?
たとえば、コミュニケーションを密に取りながら仕事を進めたい人にとって、必要最小限の業務指示だけのやり取りに終始する上司は物足りなさを感じるかもしれません。
他にも
・上司の指示やフィードバックの仕方が自分のやり方と合わない
・上司の業務の進め方や判断基準が自分の考え方と合わない
・上司のコミュニケーションスタイルや人間関係の築き方が自分の好みと合わない
など、さまざまな理由が考えられます。
今回雄太様が悩んでいる「一方的な叱責」についても
・大声だから苦手
・論理的でないから苦手
・逆に論理的すぎて(正論過ぎて)苦手
など「なぜ苦手なのか?」を考えてみてはいかがでしょうか。
そしてこれらのことは上司が悪いというより、上司と自分のスタイルや価値観が違うということです。もちろん上司にも改善すべき点はあるかもしれませんが、相手に期待をするだけでは時間がかかりますし、結局は自分が我慢することになります。「なんとなく嫌・苦手だな」と思った際になぜそうなのかを言語化し、自分がどんな人と合うのか・どんな人と合わないのかを明確にすることで、次の職場を選ぶ際の参考にもなるのではないでしょうか。
また、転職する・しないを問わず、人間関係は切っても切り離せません。どこに行っても合わない人は必ずいるでしょう。では合わない場合にどうするのか、自らの対処法を見つけておく必要があります。
対処法の一つとして挙げられるのが、「客観的な意見を聞いたり、相談すること」です。
人間関係のつまずきはボタンのかけ違いで起こるもの。早いタイミングで誤解を解くだけで解決しやすくなります。よかれと思ってしていたことが、実は誤解されていた…などはよくあることです。気になることは胸に秘めず、率直に聞いてみることをおすすめします。
具体的には、以下のようなことはありませんか?
「いつも一方的な指示ばかり…」
→「一方的に逐一指示したほうがわかりやすいだろう」と考えての言動だった
「なんでもっとこの業務を任せてくれないんだろう」
→「きっとこの業務は障害で負担だから避けよう」と良かれと思って任せていなかった
「話しかけても冷たいなあ・・」
→「プライベートなことは聞かないほうがプロフェッショナル」と考えていたからだった
これらのことは、上司と自分のコミュニケーションの仕方や期待値が違うということです。
もし自分だけで解決できない場合は、信頼できる人(家族や友人、同僚)に相談して客観的な意見を聞いたり、他の上司や人事に相談してみるのも1つの手です。上司との人間関係に悩んでいることを知ってもらうことで、状況が改善される可能性もあります。
最後に、人間関係はお互いの価値観によるものなので、「相手が悪い」と伝えるだけでは他責思考が強い人と誤解されてしまいます。転職する場合は、企業への伝え方を工夫しましょう。
<例:パワハラを受けた場合>
このまま「パワハラを受けた」と伝えると「パワハラと思っていただけなのでは?」と面接官が感じる可能性があります。この場合は、「毎日◯時間以上の残業を求められた」など具体的に伝えるといいでしょう。
<例:上司と合わなかった場合>
このまま「上司と合わなかった」と伝えると、「自分のやり方にこだわる人なのでは?」と面接官が感じることも。「上司とのコミュニケーションスタイルが合わなかった」などと伝えるといいでしょう。
このように、「上司と合わない」理由を伝え方を工夫して具体的に説明できると、面接官に自分の価値観やスタイルを理解してもらいやすくなります。
また、自分がどういう職場や上司を求めているのかを明確にしておくことで、転職先の選択にも役立ちます。
雄太様が職場でご自身に合った職場と出会えることを願っています!
※あくまでお悩みに対する一般的な回答になりますのでご留意ください。
<監修>戸田重央
【プロフィール】株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。
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