障害者雇用において、定着や活躍を叶えるためには、企業と障害のある方が双方が、障害について理解し、必要な配慮をすり合わせていくことが大切です。そして、その最初のタイミングが面接等の選考の場面です。今回の記事では、選考時に注目しながら、募集前、選考時、入社前、それぞれのポイントを紹介します。
面接時のヒアリングに役立つシートもご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。
障害者雇用において、定着や活躍を叶えるためには、企業と障害のある方が双方が、障害について理解し、必要な配慮をすり合わせていくことが大切です。そして、その最初のタイミングが面接等の選考の場面です。今回の記事では、選考時に注目しながら、募集前、選考時、入社前、それぞれのポイントを紹介します。
面接時のヒアリングに役立つシートもご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。
👉健常者社員の採用と同様に、業務内容、求めるスキル、求める人物像等の設定を行いましょう。
同時に、受け入れ部署で可能な配慮事項を検討しましょう。
はじめから、うまく設定しきることは難しいかもしれません。
その場合は面接を行いながら、候補者の方の希望をもとに対応可否を検討していきましょう。
【参照】
主な配慮事項はこちらのシートをご覧ください。
👉書類選考、面接、場合によっては職場体験等を行いながら
企業と候補者双方の理解を深めていきましょう。
障害者雇用では特に、障害の状況や必要な配慮をよく確認しましょう。
スキルや人物像がマッチしているかについては、健常者と同様の観点で確認を行いましょう。
👉面接の時点から、筆談の配慮や支援機関担当者の同席といった配慮依頼がある場合があります。
こういった配慮希望に対する対応も事前に検討しておきましょう。
👉入社者、マネジメント担当者、人事担当者で再度すり合わせを行いましょう。
また、入社者の合意のもと、周囲の社員への障害状況や配慮事項の伝達も
しっかりと行うことが、定着のポイントです。
【参照】
【受け入れ準備】障害のある社員の受け入れ時におさえてほしい4つのポイントを解説します
【障害配慮】障害配慮の確認・すり合わせのポイントを紹介します
障害者雇用の選考においては、特に以下の点に注目し、選考を進めましょう。
1 体調や症状が安定し、就業が可能な体調であるか
2 自身の障害を理解し、適切な自己対処や必要な配慮の依頼ができているか
3 企業が候補者が希望する配慮を実施できそうか
4 (健常者も同様ですが)、他責傾向が強すぎず、周囲と連携して業務が進められそうか
書類選考は大まかなスクリーニングの場としましょう。
【チェックポイント】
1 主治医から就業許可が出ているか
2 必要な配慮事項は何か、対応ができそうか
👉明らかに対応が難しいものがないかを確認しましょう。
対応可否の判断に迷う場合は、面接の際に詳細を確認した上で
対応可否や代替え案を検討しましょう。
必要な配慮事項が記載されていることはネガティブなことではありません。
適切な内容が記載できている場合は障害理解や自己受容が進んでいるプラスの指標にもなります。
3 退職理由等から他責傾向が過度に強くないか
書類選考ではどうしても得られる情報が少く、候補者の状況を理解しきることは難しいです。そのため、上記項目を目安に、大きな懸念がない場合は、まずは面接を実施しコミュニケーションをとって頂くことをおすすめします。
実際にコミュニケーションをとりながら詳しく選考のポイントを確認していきましょう。
緊張させない雰囲気を作り本音が話せる場をつくることが重要です。
1 面接官の自己紹介
👉アイスブレイクの場としても活用し、話しやすい雰囲気作りを意識しましょう。
2 会社説明や事業説明
👉配属部署の環境や社員の方の雰囲気についてもお話頂くと働くイメージが持ちやすくなります。
3 候補者の自己紹介
👉性格やお人柄がわかるような話題をお話頂くのもおすすめです。
4 候補者への質問
👉経歴やスキル、就業に関する主治医の所感、障害状況や希望する配慮等を確認しましょう。
障害状況や希望する配慮は特によく確認しましょう。
今後に活かすため、過去の就業で感じた課題等ネガティブなエピソードも確認しましょう。
5 候補者からの質問受付
👉「業務について不明点はありませんか。」「配慮について不明点はありませんか。」等
具体的に質問すると、候補者も質問をしやすくなります。
1 特別なコミュニケーションは不要です
👉障害の有無で対応を変える必要はありません。
普段通りの対話や対応を行いましょう。
2 選考に必要な障害に関する情報をお聞きすることは失礼にあたりません
👉答えにくい内容は答えなくてよい旨と目的を説明した上で確認しましょう。
候補者としてもしっかりと確認して頂いた方が安心感を感じます。
障害についてはしっかりと確認しましょう。
3 企業側も必要な情報はしっかり伝えしましょう
👉採用面接は、企業が一方的に候補者を選ぶ場ではなく、互いに選び選ばれる場です。
企業側も候補者の企業理解につながる情報はしっかりと伝えしましょう。
また、候補者からの質問の時間も設けましょう。
面接時の障害や配慮事項の確認に役立つシートをご紹介します。
具体的な質問項目やヒアリング時の注意点、確認すべきポイントをまとめていますのでぜひご利用ください。
【参照】面接シートはこちらよりご覧ください。
面接のポイントにも記載しておりますが、面接では、企業からも候補者へ情報提供を行い、候補者が御社での就業をイメージできることも重要です。以下の点についてはしっかりと説明を行いましょう。
1 業務内容
👉入社1カ月~半年くらいまでの業務内容や納期イメージ等を具体的にお伝えしましょう。
「業務内容はイメージでましたか?」等、理解度を確認しながらお話を進めましょう。
2 オフィス環境・職場の雰囲気
👉イメージとのギャップが発生しやすいポイントです。
選考中に職場を見学を実施頂くことや、選考中~入社までの間に配属先の上司や同僚等と
顔合わせを行い、お互いの雰囲気を確認することがおすすめです。
3 相談の体制
👉障害者採用に限らないことですが、職場に相談相手がいることは定着や活躍のために重要です。
相談先や相談方法等についての企業の考えも共有しましょう。
相談方法としては定期面談を実施し定期的にコミュニケーションを実施頂くことがおすすめです。
【参照】
【面談方法】障害のある社員の定期面談の方法とそのポイントを解説します
障害の状況や必要な配慮事項は一人ひとり異なります。
定着や活躍に向け、採用時からしっかりとコミュニケーションを取り合い、お互いに対する理解を深めていきましょう。
【資料】
本記事の内容を資料にもまとめております。以下よりご覧ください。
【関連記事】
【採用準備】主な精神障害の概要と障害配慮のポイントを紹介します