障害のある社員の欠勤が続いた際、障害があることを踏まえ、何か特別な対応をしなければいけないのではないかと、戸惑う担当者の方も多いと思います。
しかし実際は、特別な対応が必要なのではなく、他の社員と同様に、面談等を通して、丁寧にコミュニケーションを取り、就業上の悩みや体調変化といった欠勤の背景を共有し、状況の改善に向けた取り組みを一緒に行うことが大切です。
今回は、欠勤時の面談の行い方を中心に、欠勤が続いた際の基礎対応を紹介します。
障害のある社員の欠勤が続いた際、障害があることを踏まえ、何か特別な対応をしなければいけないのではないかと、戸惑う担当者の方も多いと思います。
しかし実際は、特別な対応が必要なのではなく、他の社員と同様に、面談等を通して、丁寧にコミュニケーションを取り、就業上の悩みや体調変化といった欠勤の背景を共有し、状況の改善に向けた取り組みを一緒に行うことが大切です。
今回は、欠勤時の面談の行い方を中心に、欠勤が続いた際の基礎対応を紹介します。
「障害があるから特別なコミュニケーションが必要」と身構える必要はありません。他の社員と同様に丁寧に対応していきましょう。
👉欠勤が起こった時点で、通院の状況も確認し、少しでも通院が必要そうだと感じた場合は通院を促しましょう。
👉話が出来る状況であれば、面談の時間を設定し、状況確認や今後の対応についての相談を行いましょう。
⚠万が一、欠勤中の障害者社員と連絡が取れなくなった場合は、同状況に対する健常者社員への対応をもとに安否確認等を行いましょう。
👉まずは、30分程度、電話等で話すことから始める企業が多い印象です。
👉障害のある社員が安心して話せる人選を心がけましょう。
👉お互いが話しやすい雰囲気を心掛けましょう。
・体調
・主治医の見解(症状/原因/必要な治療/必要な療養期間/安定就労するために必要な職場の配慮)
・業務についての状況確認(困りごとはないか)
・就業環境についての状況確認(困りごとはないか)
・職場の人間関係についての状況確認(困りごとはないか)
・その他の困りごとの有無
・今後の就業に関する希望(復帰についての希望や、復帰後の配慮に関する希望等)
👉主治医の見解は、今後の方針を検討する際のカギとなる情報です。 できるだけ確認しましょう。
また、必要に応じて診断書の提出を依頼しましょう。
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【合理的配慮の指針について】
合理的配慮の指針については、厚生労働省HP内「改正障害者雇用促進法に基づく「障害者差別禁止指針」と「合理的配慮指針」を策定しました」の(別添3)(合理的配慮指針)を参照ください。
厚生労働省HP:合理的配慮指針関連ページ
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欠勤が続く際、障害のある社員が何らかの悩みを抱えていることも多いです。
こちらでは、欠勤の原因になりやすい悩みを紹介しますので、欠勤の予防や、欠勤時のコミュニケーションの参考になさってください。
①業務量や難易度があっていない(特に、少なすぎる、簡単すぎる)
業務量が多すぎる場合も問題となることがありますが、障害者雇用では、業務が少なすぎる、簡単すぎることが悩みとなり、欠勤に至ることが非常に多いです。
業務量が少なすぎる、簡単すぎるという状況は、企業が障害のある社員のことを思い、障害配慮や負荷軽減を行った結果であることが多いのですが、これが本人の能力や希望から乖離してしまうと、「やりがいを感じられない」「会社に貢献できていないのではないか」「会社に必要とされていない気がする」といったネガティブな感情を引き起こし、欠勤につながってしまうことが多いです。
そのため、業務量や難易度については企業と障害のある社員でこまめに確認し調整を行いましょう。
②人間関係に課題を感じている
・周囲に馴染めない
・きつい口調の方や厳しい指導をする方が怖い
・障害について説明しても理解頂けない
周囲に馴染めない背景としては、その方の特性上、コミュニケーションに苦手さがある場合や、本来はコミュニケーションが得意な方でも、障害者雇用で就職することで「障害者」「健常者」の壁を無意識に感じてしまい、コミュニケーションが上手く取れなくなってしまう場合等があります。障害のある社員が、周囲に馴染めないことに、困り感を感じている場合は、本人や周囲の方の意向も考慮しつつ、声掛けを行うなど、コミュニケーションのハードルを下げる取り組みが有効です。
また、きつい口調の方や厳しい指導をする方が怖い場合のポイントとして、本人がそのような接し方をされている場合だけでなく、周囲の方がそのような接し方をされている場合でも、自分がそうされているかのように恐怖を感じる方が一定数いらっしゃることが挙げられます。そのため、本人の感じ方も踏まえつつ、本人の状況だけでなく、周囲の状況も確認しておくことが大切です。
そして、数は少ないですが、障害について説明しても理解頂けない、心無い発言をされてしまう事例もあります。本人が説明し理解を求めることも重要ですが、こういった場合には、企業や部門単位での理解啓発も大切だと感じています。
新型コロナウイルスの流行に伴い、在宅勤務などの新しい働き方を導入される企業が増えています。こういった就業環境の変化の中で、コミュニケーション不足が発生し、「孤独を感じる」「指示指導が不足し業務が上手く進められない」「自分の貢献度が分からず不安」といったネガティブな状態に陥ってしまう方も多いです。実際、弊社の入社後サポートにおいても、この就業環境の変化に起因した悩みを抱える方は増加しており、欠勤や退職につながるケースも発生しています。この課題に対しては定期面談等を実施頂く等、コミュニケーション機会を確保することが重要だと感じています。
欠勤が続いた方とお話をさせて頂くと「休んでしまい申し訳ない」「もう合わせる顔がない」と非常に強い自責心を感じる方が多くいらっしゃいます。この心理の背景には、日々障害配慮を頂いていることに申し訳なさや負い目を感じている状態があり、そこに欠勤という出来事が加わると「自分は迷惑ばかりかけている」「もう周りに見放されてしまうのではないか」という強い不安を生み、結果強いの自責心を感じさせる場合が多いと感じています。
そのため、可能であれば、このような心境になる方もいらっしゃることを知って頂き、欠勤が起こった際は復帰を待っていることことを伝えて頂いたり、日頃のコミュニケーションの時点から、出来ていることや貢献している点等のポジティブなフィードバックも意識的に行っていただければと思います。
まずは、日頃から、こまめなコミュニケーションを意識して頂き、悩みを抱え込んでしまうことによる欠勤の予防を行いましょう。
ただ、欠勤は双方が努力をしていたとしても、やむを得ず発生してしまうことがあるものです。
その際は、上記内容を参考にして頂きながら、状況を共有し、今後お互いがより働きやすくなるために何が出来るかを検討していただければと思います。
【参考記事】入社後のコミュニケーション 障害のある社員の定期面談の方法とそのポイントを解説します