1. 受け入れ前に関係者全体で認識合わせと環境整備を実施
上司(評価者)とOJT担当を事前決定
横断的な働き方は、上司やOJT担当者が曖昧になりやすく、所属感の持ちにくさや相談のしにくさにつながることがあり、丁寧な受け入れ準備が必要です。
上司(評価者)とOJT担当を事前に決定し、曖昧さをなくしましょう
上司が評価・業務指導の双方を担っており多忙な場合は「業務指示中心」の関わりになりがちです。無理のない範囲で「相談しやすい声かけ役」を設定すると安心感につながります。
関係者全体で目的を共有
複数の部署から業務を切り出す場合は、関係者全体が、その目的や期待を把握していることが重要です。
ノンコア業務を依頼することで、他のメンバーがコア業務に集中できるといった期待を共有しましょう。
関係者の理解が浅いと、「仕事を取られる」と誤解されたり、引継ぎへの協力が得られにくい場合があります。
障害情報や配慮事項を事前に共有することで、障害のある社員にあった業務依頼が可能になります。但し、障害情報は「要配慮個人情報」です。共有する場合は、必ず本人に共有目的を説明し、開示範囲、共有内容、伝達手段を確認してください。
依頼業務の情報整理と引継ぎ計画の策定
複数の部署の業務を担当する場合、覚える業務の種類が増えることで、一つ一つの難易度は低くても、全体としては難易度が高く感じることが多くあります。
問い合わせ先を明確にするとともに、依頼業務のマニュアル(例えば、業務の目的・手順・注意点をまとめたもの)を用意することが大切です。
事前に計画がないと、引継ぎの集中などが発生する可能性があります。入社前に、入社後1~3ヵ月の引継ぎ計画を上司やOJT担当を中心に関係部署全体で確認しておきましょう。初期の業務は、手順を細分化して計画に落とし込むとスムーズです。
業務やOJT担当者への声のかけやすさを考慮して座席を決めましょう。フリーアドレスの場合も初期はOJT担当者の近くに座れる環境を整える等、工夫しましょう。
2. 入社後も継続的なサポートを実施し孤立感を防ぐ
入社初期は、新しい環境への不安・緊張・疲労で心身のコンディションを崩しやすい時期です。特に複数部門を横断しての業務は、特定の部署での業務よりも慣れるまでに時間がかかる傾向があります。
孤立感を防ぐノウハウ
面談で困りごと、業務量、負担感、引継ぎ状況をこまめに確認しましょう。
例:入社1ヵ月は週1回以上、15分~等
出席が必要な会議を明確化し、不参加時には議事録や要点を共有して「孤立感」を防ぐ工夫も大切です。
節目ごとに、職場に貢献できている点などのポジティブフィードバックも行い、本人の安心感につなげましょう。
3. 安心感を深める面談のコツ
入社後のサポートでは、特に“対話の深さ”が定着に大きく影響します。
深い対話を意識することで、障害のある社員の小さな変化に早期に気づき、一緒に対応を検討することが必要です。
成果と本人の感じ方、双方を確認し業務習熟度を推し量る
成果物は問題なく完成していても、「無理なくできた」と「何とかできた」では、意味合いが異なります。入社半年ほどは、業務ごとにこまめに振り返り、本人の習熟度や負担感を確認しましょう。
「どこが一番難しかったですか?」/「時間的にしんどい部分はありましたか?」
「どんなやり方ならもっとやりやすいですか?」(例:手順を細分化して教えてほしい)
“心理面の変化”も体調管理の重要な要素
進捗確認だけではなく“作業中の気持ち”にも耳を傾けることが、予防的なマネジメントとして有効です。小さな変化に気づこうとする関わりが、本人と職場の安心感をつくります。
「この作業を始めてどう感じましたか?」/「焦ったり不安になった場面はありましたか?」
「疲れた瞬間はありましたか?(翌朝も疲れが続くことはありましたか?)」/「集中しづらい時間帯ありましたか?」
最後に
複数部門を横断する働き方は、業務整理だけでなく「つながりを育てるひと工夫」も意識することが大切です。
本記事の内容を参考に、障害のある社員と企業双方が安心して働ける環境づくりを検討していただければ幸いです。
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