面接時に、「職務経歴書を持ってきてほしい」、もしくは「メールで添付して送ってほしい」といった依頼があることがあります。
ここでは、テンプレートを使った職務経歴書の書き方をご説明します。
職務経歴書とは
職務経歴書とは、今まで経験してきた職務、職業上の地位、習得してきたスキル等をまとめた書類です。
分量は、A4サイズ2枚以内(多くても3枚程度)でまとめるのが一般的とされています。
また、「履歴書」と「職務経歴書」は似ていますが、企業が注目している点が異なります。
履歴書
企業は【経歴の全体像を掴むこと】を重視して確認しています。
そのため、様式に沿って漏れなく書かれている必要があります。
履歴書の書き方についてはこちら
職務経歴書
企業は、【経験・スキルを具体的に説明できるか】と【入社後に経験・スキルを活かして活躍できるか】を確認しています。
そのため、経験やスキルについて具体的にわかりやすく書かれていることが、書類選考通過のポイントとなります。
<職務経歴書の書き方見本>
上記の見本をダウンロードできますので、ぜひテンプレートとしてご利用ください。
職務経歴書テンプレートをダウンロードする
このテンプレートをもとに、記入のポイントを項目ごとにご説明します。
①【日付】の書き方
「年」は西暦か和暦を統一して記載しましょう。
- 必ず履歴書に記載している「年」とも統一させるようにしてください。
- 「職務経歴の在籍年数」や「資格取得日」等を確認するようにしてください。
②【職務要約】の書き方
職務経歴の中で特に見てもらいたい内容を抜粋し、次の3つの流れでまとめてみましょう。
多くても3~4行程度にまとめましょう。
例
- ①いつ/何の仕事
○○大学卒業後、○○株式会社に入社。総務人事として、主に研修企画や採用業務を担当しました。
- ②具体的な仕事内容
採用業務では、「市場分析(人材紹介会社と連携)」や「採用手法拡大(○○を用いた募集)」に取り組み、計画的な採用を実現しました。
- ③実績や成果
2018年度以降の採用計画は目標達成(約30名/年)を継続しました。
数社経験がある場合や、職種が異なる場合は、どのように書いたらいいの?
「経歴が長い会社・業界・業種」や「アピールできる共通業務(ex.Excelを使った○○、顧客対応)」に着目して記載しましょう。
例
- ①いつ/何の仕事
高等学校卒業後は数社にて販売職に従事し、直近10年は営業事務の業務に従事しました。
- ②具体的な仕事内容
各種データ集計や資料作成等を担当し、Excel等を用いて業務効率化や工数削減に取り組みました。
- ③実績や成果
その結果、2018年度に社長賞をいただくことができました。
③【職務経歴】の書き方
未経験職種に応募する場合(事務職の場合)
企業は、事務スキルがあるかどうかをチェックします。
そのため、これまで経験した職種をすべてアピールするのではなく事務職で求められる、PCスキルや電話応対スキルがあることに絞って、具体的に記載しましょう。
<OK例>事務スキルがあることが具体的にわかる
- ■2000年4月~2004年3月 ○○株式会社
【資本金】○○億円
【従業員数】○○名
【事業内容】○○メーカー
【所属】営業部
【職務】新規顧客開拓、既存顧客対応
・売上管理(Excel:vlookup関数、ピポットテーブル)
・提案書作成、見積書作成、請求書作成(PowerPoint/Word)
・経費精算(週20件)
・PCセッティング
・業務マニュアル作成
・電話受電対応(約40件/週)
・電話記録のデータ入力(約40件/週))
<NG例>営業職の実績を書いてしまっており、事務スキルがあることがアピールできていない
- ■2000年4月~2004年3月 ○○株式会社
【資本金】○○億円
【従業員数】○○名
【事業内容】○○メーカー
【所属】営業部
【職務】新規顧客開拓、既存顧客対応、企画立案、提案、プレゼンテーション、見積もり作成
【実績】個人売上目標 5年連続で達成
・2000年:目標5000万円/売上6000万円(新入社員2位/20名中)
・2001年:目標1億5000万円/売上1億8000万円(支社内6位/15名中)
・2002年:目標1億9000万円/売上2億5000万円(支社内3位/18名中)
・2003年:目標3億2000万円/売上4億2000万円(支社内1位/21名中)
・2004年:目標3億5000万円/売上3億9000万円(支社内2位/24名中)
経験職種に応募する場合
企業が経験者を採用する場合、その職種での具体的な業務範囲・能力・実績をチェックします。
そのため、次のような内容を盛り込み具体的に記入することがポイントです。
- 具体的な業務内容
- 目標とそれに対する成果
- マネジメント経験(ある場合のみ)
- 使用ツールやスキル
<OK例>職務の業務範囲・能力・実績が具体的に書かれている
- ■2012年4月~現在 ○○株式会社
【資本金】○○億円
【従業員数】○○名
【上場】東証一部上場
【事業内容】○○メーカー
【所属・役職】総務部人事課 課長(2015年4月~)
【職務】
<採用業務>
・計画立案(目標設定、採用基準明確化、スケジュール管理、募集媒体選定)
・中途社員採用(総合職、技術職 30名/年 ※2020年度 達成率:95%)
<人事企画業務>
・人事制度/評価制度の見直し、構築
・○○システムの導入
・就業規則の改定
<マネジメント業務>
・メンバーの業務進捗管理(部下:5名)
【使用システム・ツール】○○、○○、○○
【語学力】英語:ビジネス利用可能、中国語:日常会話程度利用可能
<NG例>職務が具体的に書かれていない
- ■2012年4月~現在 ○○株式会社
【事業内容】○○メーカー
【所属】総務部人事課
【職務】中途社員の採用業務、人材育成計画立案、マネージャー業務
技術系職種の場合
技術系職種の場合、スキルが具体的に伝わるよう次の点を記載することがポイントです。
記入例
■2012年4月~現在 ○○株式会社
【資本金】○○億円
【従業員数】○○名
【上場】東証一部上場
【事業内容】○○
【所属】開発部
【業務内容】
・○○向けのアプリケーション開発(2012年4月~2015年3月)
<担当範囲>基本設計、詳細設計、開発、テスト
<人数・役割>10名、全体統括
<環境・言語>Linux、Java、PostgreSQL
・○○システム開発(2015年4月~2017年1月)
<担当範囲>詳細設計、開発、テスト
<人数・役割>5名、全体統括
<環境・言語>Windows、OracleDB
【スキル・経験】
・〇〇システムの開発(<使用言語> 5年、<使用言語> 2年)
・○○向けアプリケーションの開発(<使用言語>2年、<使用言語>3年)
④【資格】の書き方
応募する求人の職務内容に関連する資格を記載しましょう。
- 応募する求人の職務内容と関係ない資格を記載すると、転職軸や希望がブレている印象を与えることがあるので注意しましょう。
- 活かせるスキル(ex.PCスキル)、語学力(ex.英語力、TOEIC)等がある方は項目を追加して記載しましょう。
⑤【自己PR】の書き方
職務経歴書全体を通じて企業にアピールしたいこと、貢献できるポイントを記載しましょう。
まず、自身の「仕事への取り組み方」「性格的な強み」「職業能力」の中からアピールしたいポイントを決めます。
それを、次の3つの流れでまとめ、多くても10行程度で記載しましょう。
例
- ①アピールポイント(結論)
私の強みは『周囲に働きかけ巻き込む力』だと考えています。
- ②具体的なエピソード(根拠)
採用手法の拡大時には、新しい取り組みがゆえに障壁も多く、協力者を募ることが必要不可欠な状態でした。
まずは現状課題を整理し、新しい取り組みのメリットや必要性に関する情報を社内発信することで、協力者を募りプロジェクト立ち上げに至りました。
結果、プロジェクトが軌道にのったことで、採用目標を前倒しで達成することに成功しました。
- ③前向きな意気込み(抱負)
これまでの経験を活かし、貴社においても社内・社外問わず協力関係を築きながら活躍していきたいと考えています。
輝かしい実績やアピールポイントがありません…どうしたらいいですか?
必ずしも輝かしいものである必要はありません。
「日ごろ何気なく取り組んでいること」「当たり前だと思ってやっていること」がアピールポイントになることがよくあります。
また「一見短所に感じていること」がなにかしらの長所(強み)と捉えられるケースもあります。
例を見てみましょう。
例
- ■単調な業務しかしていません…
「毎日コツコツ丁寧な業務ができる」という長所です。
周りから、「正確さ、丁寧さが求められる仕事を日々きっちり対応してくれている」などの評価や感謝があれば、実績として記載しましょう。
- ■大人しい性格で、いつも一歩引いてしまいます…
他人の話をよく聞ける、環境の変化に気づきやすい」という長所です。
周りから、「お客様対応に安心感がある/他の人が気づかないことによく気づく」などの評価や感謝があれば、実績として記載しましょう。
以下のページもぜひご覧ください。
WEB履歴書「自己PRの書き方」を見る
よくあるご質問
「職務要約」と「自己PR」は書くべきですか?
必須で記載しなければならない項目ではありません。
「どうしてもアピール材料が整理しきれない」「履歴書の自己PRと内容が重複するだけ」と感じている場合は、記載しない選択肢もあります。
ただし、「職務経歴」だけでは説明しづらい内容を表現できる項目ですので、可能な範囲で記載しましょう。
いかがでしたでしょうか。
ポイントを抑えて職務経歴書を作成してみましょう。