atGPジョブトレに通うようになったきっかけ

 私は、就労移行支援事業所atGPジョブトレお茶の水を、2年前から、いままで丸2年ご利用させていただきました。

 私は、中学2年生ごろに統合失調症を発症したとみられています。初めの症状は、わけもなく友人や家族を避けるようになったこと、遅刻が多くなったこと、受験勉強に専念できなくなったこと、などの症状が挙げられます。そして、約16年前から精神科に通院を開始して現在に至ります。

 高校を卒業してからは、試行錯誤の連続でした。大学で吹奏楽部のサークルに入部したものの、人付き合いでなじめず2週間で退部したり、公務員の試験を受けて、面接でほとんど何も言えなかったり、日商簿記検定3級の試験を受けたものの全く歯が立たなかったり、アルバイトに何件も応募したが、採用されなかったこと、ようやく内定した派遣会社では、主に軽作業をやらせていただきましたが、立ち仕事や、力仕事、倉庫内を歩き回るピッキング作業など、自分に不向きな業務ばかりを行っていました。つまり、自分の強み・弱みを自己理解していなかったため、人間関係がうまくいかなかったり、面接で採用されなかったり、自分に合わない仕事をして、失敗したと、現在では分析しています。そうして、派遣社員としての勤務も、2ヶ月ほどで辞めてしまい、人との出会いもなく、近所に買い物に出かける以外は、あまり外出もしない日々に逆戻りしてしまいました。

 何かをしなければ、という気持ちは以前からあったのですが、家族をも信用できないほどの極度の人間不信と、極端な自己肯定感の低さ、病気の症状からくる、何事にも関心を持てない状況が、行動に移そうという具体的な行動に直結しない日々が続きました。

 ある日、たまたまスマートフォンの検索やインターネットで調べていたら、就労移行支援という補助制度があることを知りました。そこで、atGPジョブトレお茶の水の存在を知ったのです。

 正直に申しまして、それまでの私は、統合失調症の症状からか、外部の情報を遮断(シャットアウト)していましたので、世の中で何が起きているのかもわからないほどの無知者でした。もちろん障害者雇用や就労移行支援や就労継続支援などといった仕組みの存在も全く知りませんでした。ですから、私は障害者だから一生働けない、人との出会いもない、とすっかり自信を無くしていました。

 しかし、いろいろと調べていくうちに、障害者でも働ける仕組みが整っているのだな、と知り、ジョブトレの中でも、統合失調症・難病に特化したコースのatGPジョブトレお茶の水に通所することに決めました。

 

atGPジョブトレに通所を始めたころの感想

 こうして、atGPジョブトレお茶の水の門をたたき、事業所での訓練の日々が始まりました。初めのころは、パソコンもほぼいじったことのないほどの初心者でした。それでも、職員さんの熱心なご指導のおかげで、Word、PowerPointの基本的な使い方や、タイピングの技術も向上していきました。ほかにも、就活研修、セルフマネジメント研修、ストレスマネジメント研修、報連相の練習、ビジネスマナー研修など、多彩な訓練を受けさせていただきましたが、atGPジョブトレのカリキュラムの中で最大の特徴は、グループワークやディスカッションの機会が多く設けられていた点だと思います。私は、話下手と消極性を克服するため、自分の感じた範囲で積極的に発言を試みてきました。 

 

atGPジョブトレに通っての、統合失調症や難病に対する意識の変化とうつ症状との戦い

   atGPジョブトレで生活するうちに、まず統合失調症や難病に対するイメージが180度変わりましたね。私の中では、統合失調症というと、人間性を梳毛する恐ろしい病気、変な人、コミュニケーションが苦手、暗い、業務遂行も苦手、というイメージ(偏見)がありました。しかし、atGPジョブトレお茶の水の利用者さんは、皆さん我を持っていて、明るい方ばかりで、前向きに生活していらっしゃって、コミュニケーションが得意な方が多く、業務もてきぱきとこなす方々ばかりでした。この発見・きづきが、のちの事業所生活に多大な影響を与えました。

 こうして、初めのうちは毎日通所できていたのですが、通所を開始して2~3か月たったころでしょうか、3年ほど前から顕著だったうつ状態が悪化し、atGPジョブトレをしばしば欠席するようになりました。うつ状態がひどい場合は、2~3日寝たきりで何もできなかったり、趣味の読書もできなくなるほどでした。主治医に相談しても、自分に合った薬がなく、投薬による気分の改善も見られませんでした。一番ひどい時は、希死念慮の気分が強くなることもありました。そのようなときでも、私が欠席すると、atGPジョブトレの職員さんが心配してくださって、メールをくださったり、面談の機会を設定して、意見を共有する場を設けてくださいました。そのような状態が1年半ほど続きましたね。

 

人生の価値観を変えた出会いと別れ

 こうしてatGPジョブトレで生活しているうちに、ある新しい利用者さん方が入所してきました。私がatGPジョブトレに通所してから4~5か月たったころだと記憶しています。

 お二方いらっしゃるのですが、まずお一人目との出会いについて紹介しましょう。

 一人目は、A さんで、クリスマス会の準備の際に一緒の班になってかかわりが始まったのですが、その方は入所し始めたころから強いリーダーシップを発揮し、私も一緒に準備をするときも、やりやすく計らってくださいました。その方と、ある日雑談をした際に、偶然住んでいるところが隣の町同士、ということで話が盛り上がり、その日は15分以上も話のネタが切れることがありませんでした。話下手である私にとっては、大変うれしい発見でした。その後も雑談や意見共有のお相手になってくださり、まるで、久しぶりに友人ができたみたいで、自分にもこのような存在の人ができたのだなあ、と思い、涙が出るほどうれしかったです。

 二人目は、B さんで、彼女が入所を始めたころから、気軽に私に声をかけてきてくださり、音楽の話などで会話が弾みました。その後も、会うたびに挨拶をしてきてくださったり、私のことをいろいろとほめてくださったり、私が何か困りごとをしていると、助けてくださり、この方とも親密な関係になることができ、本当にうれしかったです。

 このお二方との出会いは、極度の人間不信だった私の価値観を、決定的に変化させ、人を少しずつではありますが、信じられるようになりました。彼らの前でなら、自然と笑顔になることができました。それだけに、彼らとの出会いから1年と少し経った頃でしょうか、彼らが突然立て続けにご卒業されていったときは、唖然として、本当にショックでしたし、大きな喪失感を感じましたね。しかし、うつ状態がひどくてたびたびatGPジョブトレを欠席していた私にとって、このお別れは、その後の事業所生活に多大な変化を与えることになりました。

 

atGPジョブトレに通所して得られたもの

 こうして、私は数々の発見と喪失を繰り返して、atGPジョブトレお茶の水を卒業しました。悲願である就職内定には結びつきませんでしたが、多くの経験と気づきを得ることができました。

 まず、一番の収穫は、自分の強み・弱みを発見できたことにあるでしょう。この事業所での経験で気づいた強みは、文章作成能力に優れていること、文章などの情報の中にミスなどがあった場合、それを指摘するのが得意なこと、数字を扱った業務など、経理の世界に自分の肌があっていると感じられたこと、手先が器用なこと、が挙げられるでしょう。逆に、弱みは、やはり、グループワークなど、ほかの人と協力して業務を遂行することが苦手な点にあります。

 他にも、先に述べたお二方との出会いによって、少しだけ他人を信じられるようになったこと、自分の障害に対する理解が深まったこと、安定して通所できるようになった点などがあげられるでしょう。これらの収穫は、今後の人生、就活において、大きな武器となると思います。

 

 ▼通所中に作成した成果物 

  

   

 

 

これからの目標と夢

 最後に、私が現時点で考えている今後の目標について述べておきたいと思います。

 当初は、就労継続支援A 型事業所にて訓練を継続しようとも思っていましたが、A 型を体験させていただいて、まだパソコンスキルが未熟だと痛感したので、就労継続支援B型事業所にて、一から学びなおそうと思っております。B型というと、環境的にぬるいイメージがありますが、週5日通所を基本とし、パソコン作業や軽作業など、様々なお仕事にチャレンジしてみようと思っております。そうして経験とスキルを磨いて、A 型への移行を目指したいです。それと並行して、簿記検定3級の取得を目指しつつ、将来的には、簿記検定2級までは取得したいと思っています。また、事務系のお仕事で必須とされる、MOSの資格も取りたいと思っています。希望職種としては、事務か経理か軽作業のお仕事を最終的に目指そうと思っています。

 

 また、私には人生における大きな夢があります。それは、信頼できる友人や恋人を作ることです。友人や恋人、パートナーというと、誰にもいるものだと思いますが、人間不信だった私には、大きな壁というか、目標なのです。そのような存在の人が一人でも二人でもいると、頑張れると思うのです。現在は、読書会やコミュニティに積極的に参加して、とにかく人とかかわって、人と接することの喜びを感じようと努力しているところです。

〈最後に〉

 私がいつも思っている、人生の教訓を一言で紹介して、締めに代えさせていただきたいと思います。

 「世の中には、完璧な人や物はない。でも、人生を前向きに生きて、楽しむことはできる、とそう信じている」

 長々と述べてしまいましたが、以上がatGPジョブトレを卒業した後に考えていることです。最後までご拝読いただき、ありがとうございました。

 

 

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