皆様は、トラウマと聞いてどのようなイメージをお持ちでしょうか?
「名前は聞いたことがあるけど、自分とは関係のないもの」
「PTSDのように、戦争、震災、虐待、性被害などよほどのトラブルにあった人だけが被る症状」
例えば、このようなとらえ方が一般的かもしれません。
実は、近年、研究や臨床実践の進展によってそうした見方は大きく変わってきています。
簡単にいえば、トラウマは日常にある身近なストレスによって生じ、誰もが被る可能性があります。
そして、トラウマは皆様が感じるお困りごと、「仕事がうまくいかない」「働けない」「なぜか、生きづらい」といった身近な問題として現れているのです。
トラウマとは簡単にいえば、「ストレス障害(ストレス症)」のことをいいます。
災害、事故などのような強いストレス、程度は弱くても家庭や学校、職場などで慢性的にトラウマにさらされると脳や自律神経に失調が生じます。
そうすると、仕事などのパフォーマンスが低下したり(自信がなくなったり、ミスが増えたり、経験が積み上がらなかったりなど)、対人関係がうまくいかなくなったり、うつ状態に陥ったり、嫌な記憶が頭から離れなくなったり、パニックが起きたり、様々な問題が生じます。
代表的なものは、家庭内の不和や機能不全家族の影響です。
最近だと、子どもの前での夫婦喧嘩は「面前DV」として公式に虐待(マルトリートメント)として児童相談所が扱う事案となっているように、従来ならどこにでもある、大したことはないと思われる出来事が重大な問題を引き起こすことが明らかになっています。
学校でのいじめ、職場のハラスメントも当然ながらトラウマとなります。
また、近年、ヤングケアラーが問題になっていますが、機能不全家族の影響も甚大です。
一見問題なさそうに見えて、本人も普通だと思っている家庭環境が、実は現在の生きづらさや、働きづらさの遠因になっていることは珍しくありません。
特に、成長過程でのトラウマのことを「発達性トラウマ」といいます。
トラウマによって問題が生じていても、クリニックなどでは症状を中心に診断されますので、別の病名が付けられているケースもあります。
うつ病、適応障害、パニック症、パーソナリティ障害、睡眠障害、社交不安症、強迫障害、解離性障害、摂食障害、統合失調症など。
ある病院では全体の9割がストレス障害ではないか?とする医師もいます。
2018年に新しく「複雑性PTSD」という診断名が公式に採用されましたように、
最近は、様々な事象について“トラウマ”という視点から捉え直されるようになってきています。
さらに、トラウマは、発達障害様の症状を生むこともわかっています。
トラウマによって引き起こされたそうした症状のことを専門家は「第四の発達障害」と呼んでいます。
「自分は発達障害かも?」と思うような症状が、実は、トラウマが原因だった、ということがあります。
以上ご紹介してまいりましたが、
もし、あなたがいろいろと取り組んでみてもなかなかよくならないという場合、なぜか生きづらさがぬぐえない場合は「トラウマ」を一度疑ってみることで、
より良い改善に繋がる場合があります。
執筆・監修:みきいちたろう(公認心理師)
ブリーフセラピー・カウンセリング・センター
https://www.brieftherapy-counseling.com/
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