はじめに

うつ病や適応障害を発症し、休職や退職する社員がいる会社は年々増加しています。

うつ病や適応障害は様々な職業、年代の人が患っていますが、中でもIT系の仕事に従事している人に多い*と言われています。

厚生労働省はそのような方の就労支援対策として就労移行支援や就労定着支援といった福祉サービスなどの障害保健福祉施策を推進しています。

企業が自社だけですべてに対応するには限界があります。

支援機関は他の支援機関、行政機関、医療機関と日々連携しながらサポートしているため、企業が支援機関を活用いただくことでより多角的な支援が可能となります。

 

atGPジョブトレIT・Webコースでは、IT・Web関連企業の担当者の方向けにセミナーを開催。

企業の障害者雇用を後押しするため、また、従業員の方々の活躍のためにatGPジョブトレが協力できることをお話ししました。

当日は8社のIT・Web関連企業の方々がご参加くださいました。

 

まず、株式会社ゼネラルパートナーズ  atGPジョブトレ部門長の鈴木より、求人サイトサービス「atGP」、就労移行支援・定着支援として障害に特化した事務系コースの「atGPジョブトレ」とIT・Web専門型のコース「atGPジョブトレIT・Web」の概要を、そしてIT・Webコースのスタッフより詳細をお話ししました。

以下、セミナーの内容を紹介いたします。

 

 

 

 

 

 

株式会社ゼネラルパートナーズ  atGPジョブトレ

鈴木部門長より挨拶

 

*厚生労働省 「IT業界の働き方・休み方の推進」より

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/shigoto/it/state.html

 

 

第1部 就労移行支援サービスと定着支援サービス      就労移行支援サービスとは

就労移行支援サービスとは2006年障害者自立支援法(現:障害者総合支援法)に基づき規定された公的な福祉サービスで、障害のある方が一般就労へ向けたトレーニングを行い、働くために必要な知識やスキルを習得することを目的としています。

全国に約3,500か所の事業所があり、年間4万人の方が利用しています。


             

 

atGPジョブトレ/atGPジョブトレIT・Webの就労支援

atGPジョブトレでは就職がゴールではなく、安定して長く働くための支援をしています。

そのために、まずは健康管理、規則正しい生活リズム、他者とのかかわり(対人スキル)で職業準備性ピラミッドの土台部分を固めます。

 

   

 

   

 

 

 

 

 

atGPジョブトレIT・Web船橋の井上より

就労支援サービスについて説明

 

atGPジョブトレをはじめとする一般的な就労移行支援の研修プログラムでは、土台固めのために以下4つのカリキュラムを行っています。

atGPジョブトレではまず座学研修で学び、その後グループワークや課題の取り組みを通してアウトプットし習慣づけていくようにしています。

 

   

 

   

 

   

 

   

 

 

定着支援サービスとは

定着支援サービスとは就職後のサポートを目的とした障害福祉サービスです。

                                     

利用者の業務、環境、体調や生活面に関する相談、医療機関や福祉サービスとの連携、また、企業の雇用管理に関する相談や支援方法に関して、利用者、受入企業、支援機関が共通認識を持つことで利用者の困りごとの解決はもちろん、職場のチームが機能するための支援を行います。

 

 

atGPジョブトレ/atGPジョブトレIT・Webの定着支援

 

   

 

 

 

atGPジョブトレIT・Web秋葉原の大西より

定着支援サービスに関して詳しく説明

 

atGPジョブトレ/atGPジョブトレIT・Webの定着支援の目指すところは早期発見・早期解決と自走できる状態を作ること。

問題のきっかけは些細な認識のズレによるものがほとんど。

定着支援は入社から3年半までのため、その期間に利用者のセルフモニタリングを促して企業と情報連携を行い正しく状況把握するとともに、自ら支援を求めることができるようにサポートします。

 

また、atGPジョブトレ/atGPジョブトレIT・Webでは、インフォーマルサービスとして土曜日イベントを開催しています。

利用者と卒業生が主体のOBOG会、ボードゲーム大会などのイベントを通してピアサポートや安心感につながり、通常の支援ではわかりづらい表情などの非言語で確認することで、長期就労*へとつながる機会となっています。

 

定着支援の具体的な事例をご紹介し、問題がある場合に大切なことは問題やできることを整理・可視化すること、共通の認識を持つことであることをお話ししました。

 

*atGPジョブトレ職場定着率91%    2019年度実績

 

 

 

支援機関と連携する障害者雇用の進め方                      ー企業が支援機関と連携するメリット                  

企業が自社だけで採用~定着まですべてに対応するには限界があります。

支援機関は他の支援機関、行政機関、医療機関と日々連携しながらサポートしているため、企業が支援機関を活用いただくことでより多角的な支援が可能となります。

就労移行支援や定着支援サービスは障害者のための福祉サービスですが、企業にとっても多くのメリットがあるのです。

メリット① 定着率の高さ

就労前訓練を受けている人、支援機関と連携している障害者のほうが定着率が良いことがわかっています。

定着率が高い理由としては就労準備が整っていること、ミスマッチングが少ないこと、定着支援でサポートされていることなどです。実際、一部の企業では支援機関に登録していることを条件にしているところもあります。

 

 

       就労前訓練受講者、就労支援機関と連携の障害者の方の定着率の方がいずれも18%以上高い

 

メリット② 障害者雇用の助言が受けられる

実際にどのようなトレーニングをしているのか事業所を見学いただけること、企業の状況に合わせた業務など連携した求人を創出できること、受入の際の説明会を開催することなど、障害者雇用に関してアドバイスさせていただきます。

メリット③ 採用活動時の母集団形成

会社説明会開催、個別マッチング、カジュアルなスタイルでの面談実施など、採用活動に関して協力いたします。

メリット④ 企業の費用負担無し

支援機関は企業とはもちろん、地域の支援機関や行政機関とも連携してサポートを行うため、すべて無償となります。

 

 

第2部 就労移行支援利用者の体験談

現在atGPジョブトレIT・Webコースを利用されている方に登壇、体験談をお話しいただきました。

    Aさん(ITエンジニアコース・うつ症状)

atGPジョブトレIT・Webはグループワークのカリキュラムが多い。

利用前は対人関係にストレスを感じやすく体調が安定しなかったが、グループワークで人と仕事をすることに慣れ、自分の意見を言えるようになった。

今はチームで仕事をしてみたいという気持ちになり、仕事の選択の幅も増えたと思う。

 

    Bさん(ITエンジニアコース・うつ症状)

毎日の通所、振り返りを行うことによって安定してきている。

グループワーク、報連相で他者に伝えるという能力が向上したと思う。

コミュニケーションのスキルはすべての仕事に役に立つので、今はプログラミングのスキルをさらに磨いて、具体的なキャリアプランを作りたいと思っている。

 

 

 

第3部                                                                      合理的配慮の他社雇用事例とこれからの障害者雇用について  ー合理的配慮の他社事例ー

今年2024年4月1日、障害者差別解消法が改正され、合理的配慮の提供が義務化されました。

合理的配慮の改正ポイント

  • 雇用の分野での障害者差別の禁止
  • 雇用の分野での合理的配慮の提供義務
  • 相談体制の整備・苦情処理、紛争解決の援助

atGPジョブトレにも、合理的配慮に関してのお問い合わせを企業からたくさんいただいています。

合理的配慮はすべてにおいて配慮するという意味ではなく、業務に付随するものに限られる、障害のない人と同等の機会の提供を受ける、事業の目的・内容・機能の本質的な変更には及ばないという要件があり、お互いに気持ちよく働くために環境の変更や調整といった配慮をするということです。

 

       ハローワークの合意的配慮の提供に関する相談内容

 

 

     

 

以下は合理的配慮事項の他社取り組み事例の一部です。

  • 採用時に合意形成を行う場合、採用時に聞いていた配慮事項を改めて書面化し取り交わす。
  • 採用後、社内通知、研修後に各人の申し出により合意形成を書面化する。

 

 

 

 

 

 

atGPジョブトレIT・Web船橋の西河より

合理的配慮やリワークに関して説明

 

 

atGPジョブトレでは安心して障害者雇用を進めるために、以下をアドバイスしています。

  • 採用時に実習やトライアル雇用で、社内で雇用できる状態かどうかを見極める
  • 事前に支援機関よりご本人の状況をヒアリングする
  • 合理的配慮事項の確認を行う
  • 受け入れる部署を巻き込んだ研修を実施する
  • 採用後の安定雇用のための支援体制を確認する
  • 定期的な面談をしてコミュニケーションをとる

 

 

 

    atGPジョブトレで企業に提供している「障害配慮すり合わせシート」

 

上記の「障害配慮すり合わせシート」のように視覚化できるものを作っておくことで、担当や部署が変わった時にも社内でスムーズに対応することが可能になります。

また時間がたつことにより忘れてしまいがちなことも都度確認することが可能です。

 

 

 

第4部 リワーク利用について

メンタルヘルス不調により、特にIT・通信系企業の休職者が増えています。

これまでは職場復帰を目指すには支援センターや保健センターなどでのリワークが主流でしたが、2024年4月より就業中の方がリワークとして就労移行支援を利用する仕組みが法整備されました。

  • 障害者雇用で就業中の方でも利用可能
  • 一般社員の休職者でも利用可能(医師の診断書があれば)

これによって、利用できる方の範囲が拡大、また、企業と就労移行支援、医療機関などで多角的に支援することが可能になります。

 

 

リワーク利用を通して復帰した事例

  Cさん(うつ・発達障害/手帳無/通所期間6か月)

・体調が安定せず、安定通所を目指し週3日の通所からスタート。日々の記録をしながら体調管理した。

・完璧思考・ネガティブ思考のため、訓練で失敗を繰り返し、自身の課題を洗い出して整理、その課題に対する対策を考え実行。

・企業と連携しながら5か月通所後、atGPジョブトレが職場環境を確認。リハビリ復帰を経て職場復帰。

 

    Dさん(うつ・手帳有・通所期間3か月)

・うつ症状を再発し休職。上司への細かいヒアリングにより求職理由が障害によるものではなく職場環境・人間関係に起因することが多いと判断。

・上司とatGPジョブトレが連携し、復帰のための環境を整え職場復帰。

 

 

終わりに ー誰もが自分らしくワクワクする人生をー

障害者雇用では就職するための支援はもちろん、就職後の支援も重要です。

就労移行支援のリワークの法整備で就労移行支援のサービスの範囲が広がりました。

一方、法定雇用率の変更や合理的配慮提供の義務化など、企業にとって自社ですべてに対応するには難しい環境となっています。

就労移行支援を活用することでより多角的な支援が可能となります。

私たちの企業理念は「誰もが自分らしくワクワクする人生」を目指すことです。

atGPジョブトレのスタッフは、障害のある方も、受け入れる企業も、誰もがそんな人生をかなえてほしいという気持ちで支援しています。

ぜひお気軽にご相談いただければと思います。

 

 

 

 

株式会社ゼネラルパートナーズ  

atGPジョブトレIT・Webコース

根本シニアマネジャーよりお礼の言葉

 

 

 

 

atGPジョブトレではいつでも無料で見学や体験を受け付けております。

お気軽にお問い合わせください。

 

                        

                     

atGPジョブトレ 公式HP :https://www.atgp.jp/training/

atGPジョブトレIT・Webコース 公式HP :https://www.atgp.jp/training_it/

 

復職支援(リワーク)サービスのご案内:https://info.atgp.jp/rework

 

 

 

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