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atGPジョブトレでは、利用者の方々が安定して働き続けることを目指して、定期的にatGPジョブトレ、atGPジョブトレIT・Web全スタッフ参加で支援力向上の研修を行っています。
2024年4月1日に障害者への合理的配慮の提供を義務付ける改正障害者差別解消法が施行されます。従来、障害者への合理的配慮の提供の法的義務は国や自治体のみでしたが、今後は民間事業者においても合理的配慮義務が求められることとなります。
2月は権利擁護・虐待防止に関してDPI日本会議の崔栄繁先生からご講義いただきました。合理的配慮はもちろん、障害者の権利擁護・虐待防止の要点を理解し、自己点検を行うことを目的とした研修です。
今回は講義いただいた合理的配慮に関する内容を簡単にまとめてお伝えします。
障害者の権利と基本的な理念を知ろう
障害をどう考えるか。医学モデルと社会モデルという考え方があります。
医学モデルは障害によって社会参加に不利が生じる原因を個人の機能の問題とし、それをなくしていく(治療する)考えです。
一方で社会モデルは障害による社会参加の不利は、社会の環境に問題があるという考え方です。
現在の障害者の人権の文脈では主流の考え方となってきています。社会モデルでは、健常者も障害者も皆が活躍できる社会の環境を変えていく、インクルーシブな社会環境のもとで、多様性、平等として認め合うモデルです。
そのインクルーシブな社会環境を実現するためには合意的配慮が必要です。合理的配慮の明確な定義はありませんが、権利条約第2条は以下のような内容を記しています。
・障害のある人が障害のない人と同じように活動できるようにするための人的支援、設備や時間、場所などの変更や調整
・障害者や家族、支援者の求めに応じて場面場面で対応する変更や調整
・負担が大きすぎる場合は行わなくてよいもの
合理的配慮とは差別を解消するためのもの。形式的平等ではなく、皆同じことができる実質的平等であることです。
アメリカで作成された例として、(図1)をご覧ください。塀越しに野球を見るのに同じ高さの台ではなく、人に合わせた高さの台を置く、さらに塀ではなくネットにすることで皆が平等に野球を見られるようになります。環境を変えれば皆が平等になる、とてもわかりやすい例ですね。
図1
では合理的配慮はどのように決められるのでしょうか。施設等の物理的環境、コミュニケーション手段等の意思疎通の配慮を、双方の建設的な対話で落としどころを決めていくことが合理的配慮です。障害者と行政・事業者がともに考えていくために、双方がお互いの状況の理解に努めていること、また、過重な負担にあたると判断した場合は、障害者に丁寧にその理由を説明することが大切です。
皆が働きやすいインクルーシブな職場づくりが必要
マイノリティ(障害者だけではない)=少数者が何かを言うのは難しく、言っても理解されない、声を上げづらい、また、ちょっとしたふざけやいじりが長期に及ぶとハラスメントや虐待につながることもあるのです。話せない職場や相談できない職場はハラスメントが起きやすい。働きやすい職場は障害のある人だけでなく障害のない人も働きやすい職場です。障害者が働き続けるのに必要な支援を自発的、計画的に提供するナチュラルサポート、そのような職場を作るということが虐待やハラスメントを防ぐことにつながるのですね。
DEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の考え方を企業や社会に根付かせるため移行支援としてできること
就労移行支援は、配慮は決して特別扱いではない、「平等」とは何かをきちんと理解することが必要です。今ではエレベータ設置やノンステップバスなど、「誰もが使える」ことを目指した法制度やバリアフリーが整備されました。企業も世界基準を知る、伝えることが大切になってきているのです。
崔先生の講義後にグループに分かれ、日頃の支援の中で感じる権利擁護の大切さや虐待防止のについて考えました。
崔先生からはたくさんの具体例もご紹介いただき、とても参考になる内容でした。atGPジョブトレで日々利用者の方々を支援している私たちとしては、一日も早く多様性、平等として認め合うインクルーシブな社会環境を実現できるように取り組んでいきたいと思います。
講演・資料提供:DPI日本会議 崔栄繁先生
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