atGPジョブトレ各事業所では土曜日の企画として、利用者の方々、卒業された方々が参加できる様々な企画を開催しています。
先日はatGPジョブトレお茶の水「統合失調症コース」をご卒業、現在企業の事務職としてご活躍されているAさんの統合失調症発症、回復、そして現在までの経験談をお話しいただきました。
atGPジョブトレお茶の水だけでなく他事業所からも、約35名参加の講演会となりました。
Aさんには経験談に加えて、感想を寄稿していただきました。
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皆さんこんにちは。
このブログでは、経験談の抄録をお伝えするとともに、講演の反響が大きかったので、それを踏まえた講演会の感想もお話しします。
私は十数年前に家業と家事育児の両立がうまくいかず、孤独な環境に加え家族との軋轢に苦しみ、様々な妄想の症状が出始めました。
数年かけて症状は悪化し、医療保護入院に。
入院直後の身体拘束は人生で最も辛かったです。
さらに病識がなかったため服薬を拒否し、妄想がひどくなり再度入院しました。
退院後には陰性症状から引きこもりの状態に。
不安から過食し、容姿が大きく変化しました。
しかし、太った自分、緩慢にしか動けなくなった自分と向き合い、環境を変えて自分自身を受け入れたいと考えるようになりました。
私は回復への一歩として障害と向き合う為に障害者手帳の取得をしました。
障害者手帳は断薬などして病気に正しく向き合えなかったり、障害に苦しむ当事者を支える意味もあります。
周囲の人は取得を支援してほしいです。
まずは精神保健の専門家に相談してください。
一番よくないことは一人で悩みを抱え込んでしまうこと。
孤独は抱え込んだ悩みを大きくしてしまうので、誰かに相談して悩みを少しでも解消してほしいです。
その後、就労移行支援事業所への通所を検討しました。
同じ統合失調症の方々と話が出来、グループワークを積極的に行っていたatGPジョブトレが通所の決め手になりました。
就労移行支援事業所を利用開始する際には職員さんと相談しながら、個別支援計画書を作成しました。
短期目標、長期目標、本人の取り組み、支援内容を記入、3か月に1回見直して、就活時期が近づくとより就活に実践的な内容になりました。
毎朝自分の体調を書き込む管理表は、自分の症状の波や、症状の対処の把握に役立ちました。
そして、研修はワード、エクセルなどのパソコンスキルの他、ビジネスマナー、障害への理解が深まるセルフマネジメントなどの研修も行います。
セルフマネジメント研修では様々な課題を3~4名ほどのグループで話し合います。
同じ統合失調症の方と悩みを共有し、多角的な視点にとても刺激を受けました。
また、普段のおしゃべりもピアサポートとして大切な時間。
些細な悩みから大きなテーマまで語り合えたのは貴重な体験でした。
atGPジョブトレで特に影響を受けたものは「リカバリーの理念」でした。
リカバリーとは障害のある方が自分らしく望む生き方を実現していくプロセスのこと。
個人的にリカバリーは「希望」だと考えています。
障害がどんな形であれ、自分らしい幸せを探していくその過程自体に意味があるもので、私たち一人ひとりはそれぞれ豊かさを持つかけがえのないものです。
私は病気によって多くを失いましたが、障害者就労を通じてもう一度社会の一員として人生を一から歩んでいきたい、と考えています。
就活では書類審査やSPI等適性検査が通らず、就職説明会や採用エージェントでも困難の連続でしたが、9か月後無事内定をいただくことができました。
就職した企業では難易度が高く、苦手な業務の担当になりましたが、周りからの配慮と、メモを取る、報連相を行う、体調管理に気をつけるなど心がけることで少しずつ慣れてきています。
また、定着支援面談で月に1回、上司やatGPジョブトレの職員さんに希望や状況を伝えています。
細く長く仕事をしていきたい。
キャパシティオーバーにならず、ぼちぼちと一日一日を大切に過ごすことが障害を抱える者にとって必要な生き方だと考えています。
病気になってからの居場所が少ないことが私の今の悩みです。
atGPジョブトレ統合失調症コースでは、卒業した方も土曜日に自由に参加できるようになり助かりました。
精神障害の当事者が孤独や不安を脱するために活発に情報交換し、支え合うピアサポートの活性化を願っています。
続いて、後日譚です。
まず、卒業しての感想です。
atGPジョブトレに来る前から精神保健福祉の勉強はしていたものの、ジョブトレからは「当事者にとっての障害者福祉とは」といった視点を学べました。自分の生き方にも影響を与えています。
次に私の近況です。
今も難易度の高さに悩みながら、なんとか仕事を続けています。
定着支援面談で、直属の上司の「とても助かっている」との言葉がとても励みになりました。
何度もお腹を壊して、綱渡りのような日々でしたが「もう少し頑張ってみよう」と思えました。
続いて、講演会の感想です。
参加された方から講演会の反響が多くありました。
共感や、就活に進む上での参考にされたり、ご自身の状況をお話しくださったりと、頂いた感想からこちらの方が元気や勇気をもらいました。
感謝申し上げます。
今ジョブトレお茶の水の職員さんと「ピアサポートについての意見交換会」を設け、ピアサポートにはどのような形があるのか、atGPジョブトレにおけるピアサポートとは、など卒業生や通所の皆さんとお話ししていこうという機運があります。
こうして大きく横のつながりが出来る事にワクワクしています。
皆さんと活発に情報交換出来ることが今から楽しみです。
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