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ソウルドアウト株式会社

経営層の巻き込みとボトムアップで戦略的なD&Iを。ありのままのコミュニケーションを大切にするソウルドアウト株式会社の障害者雇用

本記事の主なテーマ:経営層の巻き込み/入社者の声

サステナビリティ推進室の初沢様(左)、法務本部の嶋田様(右)の写真

サステナビリティ推進室の初沢様(左)、法務本部の嶋田様(右)

ソウルドアウト株式会社について

2009年創業のソウルドアウト株式会社は、日本全国の中小・ベンチャー企業の成長をデジタルマーケティングやソフトウェア開発、メディア制作・運営、DXの領域で支援しています。「地方発全国、日本発世界」を掲げ、全国23拠点に展開。「中小・ベンチャー企業の花が咲き誇ることで、日本を、未来を明るくする」を使命に、経営者の挑戦に寄り添い続けています。

「自他共栄」を理念とするソウルドアウトでは、社員一人一人が自考自走しながらも、それぞれが伴走者でもあり、ともに前へ進む文化が社内に根付いています。障害者雇用においても、気持ちよく働ける環境と成長できる機会を用意し、質の向上に取り組んでいます。

今回はサステナビリティ推進室の初沢様に、障害者雇用への取り組みについてお話を伺いました。また、ゼネラルパートナーズの転職支援サービスatGP経由でご入社された嶋田様に入社後の印象を尋ねました。

“選ばれる会社”になるために。経営陣を巻き込み、雇用推進を図る

ゼネラルパートナーズからの質問に回答する初沢様の写真

ゼネラルパートナーズ(以下GP):貴社ではさまざまな部署で採用を成功されていらっしゃいますね。まずは障害者雇用の現状について教えていただけますか。
初沢様:本日時点で12名の方が在職されています。職種に関しては本当にさまざまで、弊社の主幹事業であるデジタルマーケティングの支援業務をはじめ、デザイナー職、総務や人事、法務など、さまざまなポジションでご活躍いただいています。
GP:2022年末ごろより初沢様が担当となられて改めて障害者雇用の取り組みをスタートされましたが、その経緯についてもお聞かせください。
初沢様:担当以前の話になりますが、背景として大きく二つの動きがありました。まず一つは、2021年の中期経営計画において、環境や社会へ配慮し持続可能な発展を目指す「ESG経営」への注力を掲げたことです。その後、博報堂DYホールディングスにジョインさせていただくことになり、会社の状況は変わりましたが、持続可能な企業であるためにも社会的な取り組みは推進していきたいということで、引き続き力を入れていくことになりました。

もう一つは、社内のボトムアップ的な動きで、私が所属するサステナビリティ推進室の立ち上げがありました。2021年ごろに女性社員3〜4名の有志が働き方の課題意識を感じ、社長や経営陣に対して変えていきたいと直接働きかけました。

当初のテーマは「女性活躍」でしたが、それが「ダイバーシティ」という大きな枠組みとなり、課題を解消していくための部署としてまずは「D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)室」が立ち上がり、その後2023年1月にサステナビリティ推進室へと変遷していきます。

さまざまな取り組みを行う中で、障害者雇用も課題に挙がりました。当時、障害者雇用についてはすでに多数の成功実績はありましたが、法定雇用率をクリアするまでには至っていなかったんです。社会的責任を果たしていないということはもちろんですが、このままでは将来的に“選ばれる会社”になっていかないと再び経営陣へと訴えかけ、推進していくことになりました。

GP:有志の社員が主動し立ち上げたという背景があると、社内でもより意義のある部署として認識されているのではないでしょうか。
初沢様:はい。そういった経緯や社員の熱量が経営陣をはじめ全社に伝わったことで、現在も推進室の取り組みがうまく運んでいる部分は大きいと思います。
GP:今回ぜひお伺いしたかったのが「職域開拓」についてです。障害者雇用の起点となる「職域開拓」については、多くの障害者雇用担当者が頭を悩ます課題の一つとなっています。貴社では幅広い職種で採用されていますが、どのような取り組みが行われたのでしょうか。
初沢様:職域開拓については、そこまで課題にならなかったというのが正直なところです。それは、経営陣を巻き込んでスタートできたということが大きかったのではないかと考えています。

弊社は4カンパニー制でそれぞれに社長がいるのですが、その全員がそろう会議で障害者雇用についての現状と課題を訴えかけたことで、その場で各社に職域開拓を依頼することができました。

また、社内に成功事例があったことも大きいと思います。以前から在籍していた障害のある社員の評判も良かったので進めやすい部分がありました。

各所から募集希望を集めるのと同時に、サステナビリティ推進室が主導となり、過去採用実績があるポジション・応募が集まりやすい業務内容などについてヒアリングや提案を実施しました。

障害内容でバイアスをかけずに面接。間口を広げ多方向での可能性を検討

ゼネラルパートナーズからの質問に回答する初沢様の写真

GP:ここからは初沢様ご自身の取り組みについてもお聞かせください。障害者雇用は、初めての取り組みだったそうですね。どういった経緯で携わることになったのでしょうか。
初沢様:現在も広報を兼務していますが、もともと企業のサステナビリティ推進に興味があり、これまではサステナブルな活動を通じて企業価値の向上を目指すプロジェクト運営に携わってきました。そんな中、ダイバーシティ・インクルージョンという新たなテーマに取り組むこともサステナビリティの実現・発展への重要性が高いと思い、チャレンジしたいと手を挙げました。

ただ、障害者雇用だけでなく、採用自体にも関わったことがありませんでしたので、どうやって進めていくのかという手探り状態から始まりました。またこれまで障害のある方との接点もほとんどなかったので、何か失礼なことをしてしまうのではないかと最初は不安でいっぱいでした。

GP:それらはどのように解消されていったのでしょうか。
初沢様:障害者雇用経験のある上司や前任者にゼネラルパートナーズさんを紹介されまして、わからないことや不安に思うことはゼネラルパートナーズさんにご相談させていただいていました。ゼネラルパートナーズさんは、返信や対応がびっくりするくらい早くて頼りになりました。つまずくたびに都度相談しながら、地道に進めていきました。
GP:面接ではかなり多くの方にお会いいただいたと聞いています。
初沢様:それも上司からのアドバイスでした。採用についても、障害のある方とのコミュニケーションについても、どちらも経験がなかったのでまずは場数を踏むことを勧められました。会っていくうちにわかることがたくさんある、と。実際、面接を通じて多くのことを学ばせていただきました。

最初は会社がその方に対してどのような対応ができるかばかりを考えてしまっていました。面接を重ねていくにしたがって、応募者さまご自身の目指す働き方ややりたいことに対して、会社がマッチングするかという考え方へと変化していきました。今考えると当たり前のことですが、当時は“手厚いサポートをしなければいけない”と過剰に思い込みすぎていたんですよね。

障害についても漠然としたイメージではなく、一人一人の具体的な状況を知ることで、特性として捉えるようになりました。あるポジションへ応募された方も、ほかにマッチングするポジションがあればそちらも提案してみるという形で採用活動を行いました。

GP:弊社のサービスにつきましては、エージェントサービス(atGPエージェント)ではオープンポジションメイン、求人メディアサービス(atGP転職)では専門職メインと使い分けていただきましたが、それぞれの感想もお聞きしたいです。
初沢様:両方それぞれにいいところがありました。エージェントサービスは、やはり安心感がありましたね。マッチング前に独自で面談をされているということで、応募者の特徴を丁寧にまとめてくださっているので人物のイメージがすごく湧きましたし、考慮すべきポイントについてもすごく参考になりました。

求人メディアサービスについては、驚くほどたくさんの応募をいただけてうれしかったですね。自分で道を切り開いていきたいというタイプの方が多く、エージェント経由とはまた異なる応募者層でしたので、併用してよかったと思っています。

内定前から丁寧に入社後のイメージを共有。ギャップをなくし定着につなげる

ゼネラルパートナーズからの質問に回答する初沢様と嶋田様の写真

GP:採用を通して何か課題はありましたか?
初沢様:担当以前から離職率については課題となっていました。再度障害者雇用を進めるにあたって注力して考え直したポイントとも言えます。長く定着いただく方もいれば、短期間で離職に至る方もいたんです。定着しなかった要因を思い返すと、きちんとマッチングできていなかったという点が挙げられました。

当たり前のことではありますが、事前にしっかりとすり合わせすることを重視しました。それができていないと、入社してからのネガティブなギャップにつながってしまう。面接では応募者の話をしっかりと聞き、働き方の部分についてはとくに丁寧なヒアリングを行いました。

こちら側からも、ポジションによってはコミュニケーションのあり方や、具体的な働き方をイメージできるように会社の雰囲気や社風についてできる限り飾らずに率直にお伝えすることに務めました。

また、内定のタイミングでは、入社後関わりがありそうな方々との面談など、社内の雰囲気を感じていただける機会を設けました。

GP:採用の成果としてはいかがでしょう。
初沢様:まず、当初の課題であった法定雇用率については無事クリアできました。スピード感としても想定よりも早く達成できたと感じています。配属先からも良い評判が聞こえます。新たに採用した方々は専門性高く活躍していただいているので、そういった面でも成功したと感じています。
GP:今後の展望についてもお聞かせください。
初沢様:法定雇用率は満たしましたが、ダイバーシティの本質はそこではありません。現状は、会社として最低限のラインができたところ。障害者雇用の実績がない部署もまだありますので、さらなる理解を深めて広めていきたいと思いますし、今後のキャリア形成についてのフォローアップもまだまだできていないので、一緒に作り上げていきたいと考えています。少しずつでも活躍できる場を整え、誰もが能力を生かせる魅力的な会社をみんなで目指していきたいです。
atGPを通じて入社された方の声
自然体でサポートする心地よい社風
ゼネラルパートナーズからの質問に回答する嶋田様の写真
GP:最後にゼネラルパートナーズを活用されてご入社された嶋田様からもお話を伺いました。現在どのような業務に取り組まれていらっしゃいますか?
嶋田様:リーガル関連を扱う法務に所属しています。契約書の押印や回収など、オペレーション周りの業務がメインで、それらに付随するような庶務業務を行っています。スケジュールを立ててやっていくというよりは、発生ベースでこなしていくことが多い業務になっています。
GP:入社の決め手についても教えてください。
嶋田様:転職活動では、共感や興味を持てるサービスやプロダクトを軸としていました。ソウルドアウトは、私が秋田の田舎出身ということもあり、地方創生に力を入れていることや、地方の中小企業・ベンチャーを支援するサービスに共感したのをきっかけに応募しました。

3年近く社会から離れていたので、正直緊張していたのですが、初沢さんとの最初の面接はとてもフランクで。身構えずにお話しできました。現在所属する部署の上長2名と面接をした際は、お二人から配慮事項について聞いてくださったことが、とても好印象でした。

私自身が障害者雇用で応募するのが初めてでしたので、普通に受け入れてくれることが嬉しかったです。希望として、音に敏感なのでイヤホンを付けることを承諾してほしいことと、気軽に相談できる環境がほしいとお伝えしました。

それに対して、イヤホンをして仕事している人は他にもいるし、電話が常に鳴るような環境でもないと、具体的な業務環境を丁寧に伝えてくれたのでとても安心できました。入社後も、社内は基本フリーアドレスなのですが、チームのみなさんがそばに座ってくださって、気軽に相談できる環境を作っていただけました。かといって過干渉でもないので動きやすく早く馴染めました。おそらく障害者雇用に限らず、そういった文化が社内に根付いているんだと感じました。

GP:自然なサポートがあったのですね。今後やっていきたいことについてもお聞かせください。
嶋田様:私は、以前は残業上等というくらいバリバリ働いてきました。心身の変化が起きたとき、今後のキャリアプランをイチから考え直す必要が出てきました。

先日、ちょうど入社から1年ということで、初沢さんや直属の上司との面談があったのですが、自分の中では、今後こんなふうに働いていきたいということがまだ見えていないというお話をさせていただきました。もうちょっと様子を見たい。働き方しかり、業務にしかり、会社にしかり、もう少し探っていきたいとお伝えしました。

ただその中で、会社に何を返せるかなと考えたときに、人事の経験を生かして、自分のように苦しんでいる人がいたら話を聞きたいなと思っています。「多様性」という言葉や認識が広まる中で、同時にそこに伴う悩みも増えてくると思うんです。自分も話を聞いてもらったときにすごく楽だったので、そういう手助けで少しでも恩返しができればなと思っています。

GP:前向きなお話が聞けてうれしいです。今もお話にありましたが、人事のご経験をお持ちとのことで、今後、障害者雇用に携わられる人事の方へお伝えしたいことはありますか?
嶋田様:人事側の目線と、障害者雇用される側の目線の両方がわかるだけにすごく難しいですが、せっかくなので障害者雇用の枠組みで採用された身として考えました。

障害者雇用では、自分は“こういう障害があります”ということや、こういう状況のときにこうなってしまいますというような、ネガティブな情報を最初にお伝えしなくてはいけません。また、プライベートに関わる話もどうしても避けざるを得ない部分があり、そういったことが少なくとも私にとっては負担がありました。

それを普通のことのように会話してもらえることがとても大事だと思っていて、私がソウルドアウトに入ったのもそれが決め手の一つだったと感じています。障害があることがまるで普通のことのように、当然なことのように質問していただいたので、自分も普通のことのように話せました。

聞きにくいとは思うんですけれど、ネガティブな雰囲気があると「自分は普通じゃないんだ」という負い目を感じてしまうし、話したいことも話せない。そうすると、もし入社が叶っても、よくないギャップが生まれてしまい、お互いに不幸な結果につながります。

人事側として聞きたい話は、気負わずしっかりと普通に聞いていただいて、進めてくれることが、後の信頼にも、幸せな結果にもつながるのではないかなと、今回の転職活動を通じて感じました。

インタビュー:2024年2月28日

社名 ソウルドアウト株式会社
事業内容 デジタルマーケティング事業、ソフトウェア開発、メディア制作・運営
従業員数 464名(2023年1月 ※連結)
URL https://www.sold-out.co.jp/

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