事例紹介

導入事例

株式会社プライムクロス

「もっと大変だと思っていた」予想外の気付きから始まった株式会社プライムクロスの障害者雇用。「自分らしく働ける」環境づくり、職域拡大の第二ステージへ。

本記事の主なテーマ:社内理解/職域開拓

管理本部 人事・総務部の谷口様の写真

管理本部 人事・総務部の谷口様

株式会社プライムクロスについて

2006年にインターネット・マーケティング会社「セプテーニ・ホールディングス」と、総合ディベロッパー「野村不動産」によるジョイント・ベンチャー企業として設立した株式会社プライムクロス。「住まいと暮らし」の領域において最先端のデジタル技術を活用した⼀歩先のマーケティング支援サービスを展開しています。

「働く社員が最大の財産」とするプライムクロスは、社員全員が多様な働き方ができる環境や制度を整備するほか、オリジナル文化を設けるなどのユニークな取り組みも行なっています。障害者雇用においても個性を尊重しながら能力を存分に発揮できる環境を構築し、障害者雇用の質の向上に取り組んでいます。

今回は管理本部 人事・総務部の谷口様に、障害者雇用への取り組みについてお話を伺いました。また、ゼネラルパートナーズの転職支援サービスatGP経由でご入社された方に入社後の印象を尋ねました。

人事・総務部が率先して採用し、社内の障害者雇用への理解と促進を図る

ゼネラルパートナーズからの質問に回答する谷口様の写真

ゼネラルパートナーズ(以下GP):障害者雇用を始めた経緯と現状からお聞かせください。
谷口様:障害者雇用については法定雇用率の達成を目指し、2018年度から取り組み始めました。現在は全社員数が220名程度で4名の方を障害者雇用しているので、当初の目標は達成している状況です。業務内容はさまざまで、デザイナーアシスタントや社内広報、総務や労務、採用周りなどを担当していただいています。
GP:障害者雇用を行う上で、どのような課題がありましたか?
谷口様:私が担当になってから採用を行うにあたり各部署へヒアリングを行ったのですが、そこで多かったのが“仕事がない”という回答でした。当社は社員間のコミュニケーションをとても重視する社風があり、業務においてもコミュニケーションが前提になっているものが多いため、黙々と取り組んでもらえる業務量を安定して切り出すことが難しいという声が多く上がりました。

同時に、マネジメント側の負担増の危惧についても多く声が上がりました。「何か困っていることはないか」という声かけも含め、管理監督者側から密なコミュニケーションを働きかける必要が極端に増えるのではないかという懸念を持っている人が多いことが印象的でした。

お気づきかもしれませんが、どちらも障害者雇用の採用経験が浅いことにより生じた課題なんですよね。障害者雇用の方にどういった業務をお願いできるのか、どのくらいの配慮が必要になるのか。具体的なイメージがつかず、漠然とした不安ばかりが大きくなっていることを感じました。

そこで、まずは人事・総務部で採用を行うことにしたんです。これまで人事・総務部での雇用実績がなかったので自分たちが始めないことには説得力がないと感じましたし、障害者雇用を進めるという姿勢を社内へ明確に見せることで、課題解消や他部署での受け入れが進むのではないかと考えたからです。

実際に、それは正解だったと感じています。決して障害のある方をひとくくりにはできませんが一緒に働いてみることで、それまでの不安や懸念の多くが誤解や思い込みから来ていた事が分かりました。また、人事担当として知っておくべき「気づき」もたくさんありました。そして私たちが経験を積んだことで、社内の障害者雇用拡大が目指せると確信できたことも大きな収穫でした。

特別なことはしない。一人ひとりの声に耳を傾けながら環境を整える

窓から明るい光が射し込んだ広々としたオフィスの写真

GP:採用活動時の求める人材像について教えてください。また、採用にあたり利用されたサービスについてもお聞かせください。
谷口様:人事での採用ではスキル面は特別なものは求めず、最も重視したことは「報連相ができそうな方であるか」でした。とくに高いコミュニケーション能力を求めるわけでなく、体調のことも含めて「ご自身の状況を周囲に発信できるか」という基本的なものです。また、障害種別も全く問いませんでした。

障害者雇用に限ったことではなく、新入社員とのコミュニケーションは難しく、人事が頭を悩ませる分野です。人それぞれに対応していくしかない部分ですので、入社後は全社員一定期間、1on1のような形でコミュニケーションを取れる定期的な場を設けています。こちらで伝えられる環境や機会はいくらでも用意することはできますが、本人から言い出してもらえなければ対応できるものもできませんので、最低限のコミュニケーションができる方を希望しました。

採用にあたっては、ハローワークなどの公的な支援機関の活用や農園型障害者雇用なども検討したり、民間サービスも複数社利用したりしましたがなかなか当社にマッチした人材に出会えませんでした。

雇用率をただ満たせればいいとは考えておらず、採用するからにはやはり本人のキャリアアップにつながるのか、会社の事業貢献になっているのかという点を重視する中で選考を行った結果、過去も含めて雇用に結びついたのは、ゼネラルパートナーズさんにご紹介いただいた方だけでした。

私が担当する以前には残念ながら短い期間で退職された方もいらっしゃったとのことで、そういった過去のケースも含め、当社の社風や希望について細かなところまですり合わせをして、マッチする方をご紹介くださったと満足しています。現在、在籍中の4名は安定して働いていただいています。

GP:ご利用ありがとうございます。4名の方が定着しているとのことですが、採用後に定着のために何か取り組んでいることはありますか?
谷口様:特別なことは何もしていなくて、コミュニケーションを多めに取っていることくらいでしょうか。必要な配慮はもちろん対応しますが、それ以外の過度な対応はなくて良いと思っているので、個別に相談のあったことにその都度対応していくという形をとっています。

実際にあった相談ですと、当社が社員間のコミュニケーションを重視する社風のため、それを促進する人事施策がたくさんあるんです。例えば、部署や年次に関係なくランダムで選ばれた社員でランチをする「シャッフルミール」制度。そういった取り組みやイベントに負担を感じていることに、相談をもらって初めて気がついたということがありました。本来であれば、事前に確認すべきことでしたので反省しています。

細かなことも含めると、認識不足や力不足を痛感することは日々多々あります。それこそ障害者の方に限らず、社員一人ひとりと向き合いながらよりよい環境を一緒に整えていければと考えています。

意識変化を全社に共有!採用部署を広げて障害者雇用の質を向上

ゼネラルパートナーズからの質問に回答する谷口様の写真

GP:採用後、予想や期待とのギャップなどはありましたか? また、社内の変化についてもあればお聞かせください。
谷口様:ネガティブなギャップは思いつかないですね。新しい仕事を依頼する場合は負荷がかからないようにしっかりと考えてからお願いしているのですが、成果物が予想や期待を大きく上回るなどいい意味で裏切られることは多く、慎重になりすぎたなと反省することもよくあります。

そういったことも含めて、私たち人事の意識は大きく変化しました。言葉を選ばずに言えば、障害者雇用に対して身構え過ぎていた、一緒に働くことはもっと大変で難しいと思っていたんです。だから、実際は「大きな変化がなかった」という気付きが、最も大きな変化だと言えるでしょう。

まだ一部の部署に限られている意識改革を全社的に広げ、障害のある方が活躍できる職域を拡大し、その質を向上していくことは、今後の大きな課題でもあります。現状では法定雇用率の目標は達成しているものの、大半を人事・総務部で完結している状態。それでは、障害のある方にとって働きやすい会社だと胸を張って言えません。

障害者雇用については、私自身も業務として携わって初めて知ったことがとても多いです。全社的な知識の底上げや正しい理解を広める活動を、人事として確実にやっていかなければならないと感じています。目標を達成して落ち着いている今がベストタイミングだと思うので、目下準備中です。

そういった啓蒙活動はとても重要だと思う一方で、勉強会を実施したところで「いつでも受け入れられます」とすぐに切り替わることは難しいとも考えています。やはり、実際に一緒に働いてみたり、直接話してみたりしないことには、不安を拭えない面は大きいでしょう。

障害者雇用の採用部署を広げていくには、最終的に「この方、どうでしょう」という形で各部署に具体的な提案をしていくことまでが人事の役割。今後そういった機会をどんどん設けていきたいと考えています。

100人100キャリアの時代。キャリアアップも目指せる体制を用意

本棚などが置かれた明るい雰囲気のミーティングスペースの写真

GP:今後の障害者雇用について他に検討されている取り組みはありますか?
谷口様:障害者雇用の第二ステージではありませんが、キャリアを築ける体制を構築していきたいと考えています。

これまで障害者雇用に関して、人事として「採用」とその後の「定着」については力を入れてきましたが、雇用後の中長期的な視点での「キャリア形成」を支援できる体制についてはまだまだ整っていないからです。現在在職中の方は、長い方で勤続年数が2年半ほどになります。彼らのためにもキャリア実現のためのサポート環境を早急に整えていきたいですね。

一方で、障害者雇用においてのキャリアアップについては“無意識の思い込み”を持ってしまいがちなので、丁寧にヒアリングしながら慎重に取り組んでいかなければならないとも感じています。

私たち人事は「長く働くこと」は大前提のスタートとして、「会社で何をやりたいのか」、「どういうことにチャレンジしていきたいのか」という目標や課題ばかりを社員に対して質問してしまいがちなのですが、障害者の方の中には「働くこと」自体が目標の場合があります。

それは、私自身が障害者雇用に携わるようになって最初の「気づき」でした。

やりたいことへの質問に対して「とくにない」という答えが返ってきたときに、そういった前提や価値観を理解していなければ、目標がない、もっと言えば“やる気がない”と解釈してしまう恐れがあります。でも、決してそうではない。私自身にとって大きな気づきでしたし、これまで自分の価値観を強要していたのではないかと過去も振り返りました。

先ほど、新しい仕事を依頼するのに慎重になりすぎたと反省することもあるとお話したばかりで矛盾するようではありますが、今後の成長を考えてストレッチした少し難しい仕事にトライする段階かなと感じても、本人にとって大きな負担になるかどうかをその都度確認していく必要があります。

ただ、それは最近では障害者雇用だけに当てはまることではないかもしれません。今は、型にはめられる時代じゃない。100人100キャリアという考えの世の中で、目標とするゴールは一人ひとりみんな違います。その延長線上で、障害者の方も一緒にキャリア形成について考えられるといいなと考えています。

自然に無理なく働く中でキャリアアップという目標を望んだ場合、会社の体制や体質上それが叶わないという状況にならないように、しっかりと準備していきたいですね。

atGPを通じて入社された方の声
新しいチャレンジを評価する柔軟な社風
GP:最後にゼネラルパートナーズを活用されてご入社された方からもリモートでお話を伺いました。現在どのような業務に取り組まれていらっしゃいますか?
Hさん:4月に異動したばかりですが、現在は人事・総務部内の総務ウェルネス課という部署で働いています。備品発注や名刺管理、あとは勤怠チェックなどを主に担当しています。それ以外にも日々単発の業務が発生するので、周囲の方とコミュニケーションをとりながら対応しています。

入社の決め手になったのは、選考を通じて柔軟な働き方ができそうだなという印象を受けたことです。一度も会社を訪問せずオンライン上での面接のみで採用に至りました。コロナ禍だったこともありますが、そういった臨機応変な対応が好印象に繋がりました。

私は子どもがいるので在宅勤務やフレックス制度のある会社を希望していたのですが、通勤時間のロスもなく、体調の変化があったときも体制が整っているので、無理せず自分らしく働けています。

もう一つ、私にとって魅力的だったのは、デジタルマーケティングという働いたことのない業界だったことです。前職が地方自治体の職員だったこともあり、柔軟な体制も含めて真逆とも言える環境には驚きの連続でした。

社内の雰囲気がとても良く、入社してすぐに何か提案しても変な顔をせずに「それいいね」と受け入れてくれます。新しいことにチャレンジすると背中を押してくれたり評価してくれたりする環境があることに、入社してから1年ほど経ちますが、ここを選んで本当によかったなと感じています。

今はコーポレート部門に在籍していますが、もう少し業務に慣れて体調が安定したら、将来的には会社の事業に関わる仕事にも徐々に携われたら嬉しいなと思っています。

インタビュー:2023年7月6日

社名 株式会社プライムクロス
事業内容 デジタル広告事業、クリエイティブ事業、クラウドサービス事業、デジタルトランスフォーメーション事業
従業員数 220名(2023年4月1日時点)
URL https://www.prime-x.co.jp/

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